脳細胞を育てよう
「脳を鍛えるには運動しかない!」の続きを紹介しています。
脳細胞を育てようについて
脳内の信号送信には、二種の神経伝達物質、グルタミン酸、γーアミノ酪酸があり、三種の神経伝達物質、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンがあります。
上記の神経伝達物質と同様に重要な「因子」と総称するタンパク質群があります。この最も有名なものが脳神経栄養因子(BDNF)です。
脳神経栄養因子は、ニューロンの機能を向上させ、その成長を促し、強化し、細胞の死から守っています。
コットマンという人は、マウスに運動をさせて脳内の脳神経栄養因子量を測定する実験をしました。ここで、大切なことは、マウスが自発的に運動することでしたが、マウスは、身体を動かすことが好きで、一晩で回し車で数キロも走ったそうです。
そこで、マウスは、4グループに分けられました。即ち、回し車で2晩、4晩、7晩走るグループと回し車を使用させない対照群です。
そして、実験後に、マウス群に脳神経栄養因子と結合する標識分子を注入してスキャナで調べたところ、走ったマウス群は、対照群よりも脳神経栄養因子が増えていて、そして長く走ったマウス群ほど、その量は多かったそうです。特に、脳神経栄養因子は、海馬で急増していたそうです。(マウスに感謝ですね。)
脳神経栄養因子は、ニューロンの存続だけでなく、その成長にも重要であり、従って、学習に重要だということが明らかとなったのです。
この研究によって、運動が学習のメカニズムを細胞レベルで強化することを証明する道が開かれたのです。
脳神経栄養因子は、情報を処理し、記憶するに必要な道具を与えたというだけで、走りさえすれば、天才になるということではないということです。
新たな道具のニューロンに刺激を与えてニューロンに仕事をさせ、ネットワークにつなげて信号伝達コミュニティの一員とすることが必要なのです。
運動中に生まれたニューロンは、長期増強を誘発しやすいのです。新しいニューロンは、可塑性の天才なのです。

